秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
朦朧とした意識の中で考えていると、熱のせいで意識が遠のく。
こうして横になりたかったのだと体が言っているみたい。どんどん力が抜けてソファに沈んでいく。
そして次に目を覚ましたときには、直樹の電話は終わっていたようで私のすぐそばでスマホを使って調べごとをしていた。
「……小野寺くん」
「あ、起きたか。だいぶ熱が高いみたいだから、送っていくよ。エランコミュニケーションズにも代わりのスタッフの要請をしておいたから心配しなくていい」
私が眠っていた間に、その手配をしてくれていたのかと驚く。
でもどうして?直樹がなぜうちの会社にそのような連絡を入れられるのだろう。
「あの……どうして……そんなことできたの……?」
「お前……まさか、知らないのか? エランコミュニケーションズはうちの傘下の会社だぞ。俺は仮にも小野寺グループ本社のCEOの息子だ。それくらいはできるだろう」
エランコミュニケーションズが小野寺グループ会社だなんて知らなかった。というか、むしろ知っていたなら就職しなかった。