秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
「俺たちが付き合っていたとき、俺のこと、ちゃんと好きで付き合ってた?」
思わず、「そこから聞くの?」と口を滑らせそうになった。いや、でも私が今までやってきたことを思い返すと、そう疑われても仕方ないかもしれない。
「うん、ちゃんと好きだったよ。それは間違いない」
確かに十代の恋愛だったし、考えも何もかも若かった。
好きっていう感情も、幼かったかもしれないし、恋に恋をしていたのでは?と聞かれたら、そうかもしれない。
だけど初恋で、大好きな人と両想いになれて、付き合えた。一番近くにいた男性は直樹だったし、一緒に過ごした時間はかけがえのないものだった。
何もかも直樹が初めてで、一緒にいる時間が楽しくて、キラキラと輝いていて、幸せな日々。
直樹のことを本気で好きじゃなきゃ、一人で子どもを産んで育てようと決意しない。好きな人の子どもだから、絶対産みたいって思った。
「じゃあ、なんで別れようと思ったんだ? 俺のこと、飽きたから?」
「ううん、それは違う」
「じゃあ、何で――」
すぅっと息を吸い込んで、覚悟を決める。
ちゃんと話さなきゃ……。
「実は――」