秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています

「よくこんなところ知っていたね」
「うん、調べたら出てきてさ。きっと喜ぶだろうと思って連れてきたんだ」

 直樹の隣に座りたい!という樹里は、直樹の隣を陣取り、仲良さそうに話して楽しんでいる。私は向かいからその様子を写真に撮って、何度も見返す。

 直樹と樹里が一緒にいるなんて、信じられない。

 樹里には父親の話などしたことがなかったし、いないものとして育ててきた。
そしてこれからもずっとそうしていくつもりだった。

 直樹と再会したときはどうかるかと思ったけれど、こうして樹里と会ってくれて可愛がってくれて……本当に感謝しなければ。

 樹里はお子様プレートをすぐに完食し、キッズスペースへ行ってしまった。気になるおもちゃがあったらしく、すでに遊んでいるお友達の中に溶け込んで遊び始めていた。

「樹里ちゃんは人見知りしないんだな。誰とでも仲良くなってる」
「そうだね。0歳のときから保育園に入れているから、自然とそうなったのかもしれない」
「0歳のときから?」
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