秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
一緒にいる時間が増えるにつれ、彼への想いが大きくなる。

 彼のことは、好きだと思っていた。
 だけどそうじゃない。今は、愛してる。

 ドキドキというような浮ついた甘ったるいだけの感情ではなく、しっかりと地に着いた感情で、相手を想い慈しみ、愛していると思えるのだ。

 ずっと一緒にいたい。
 直樹の傍にいたいし、彼に傍にいてほしい。

 深い想いを感じて胸を熱くする。
 樹里と直樹は仲良く、ふたりで一緒にお風呂に入るのだと言ってバスルームへと向かった。さすがに一緒に入るわけにはいかず、私は樹里を受け取る係になった。

 はしゃぎすぎた樹里は、お風呂から上がるとすぐに眠ってしまった。

「あれ? 樹里は?」

 樹里を先に送り出し、そのあと体を洗った直樹が上がるころ、樹里はもうすでに夢の世界に行ってしまっていた。

「ドライヤーをかける前に寝ちゃったのよ」
「そうか。お風呂でもテンション高かったからな」

 こんなに広いお風呂に入るのは初めて、と樹里は喜んでいたらしい。そしてブクブクと出てくるジャグジーを満喫し、思い切りはしゃいでいた。
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