秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています

 想っていたのは、俺だけじゃなかったのだと感じることができ、心の底から幸せを感じることができた。
 友里のことも、樹里のことも大事にしたい。
 これからは彼女たちを支えていく。それにはまず、俺がもっとしっかりしないといけない。

先日、祖父と父に呼び出され、重役会議を行った。そのときに、祖父はそろそろ引退を考えていると話し出した。祖母が亡くなってからというもの、祖父は残りの人生をどう生きていくか考えていたらしい。

 仕事は好きだが、残りの人生は好きなことを生きていこうと決意し、会社の運営を全て父に任せることを決断した。

 そして俺も。

 今までは傘下の会社の専務として役職をもらいながら、いろいろなことを学ばせてもらっていたが、これを機に本社に戻ってくるようにと命じられた。

 父の下で働くときが来たのだ。今までそれに向けてたくさん勉強をしてきたし、海外にしばらく住んで学んできた。
まだ全てのグループ会社を束ねるほどの力量はないにしても、父と共にこの会社たちを大きくしていきたいという野望は人一倍持っている。

 守るべきものができたんだ。全力で大切にしなければならない。
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