秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
ソファに座っている私の隣にやってきた直樹は、隙間がないほど近くに座る。そして腰に手を回して引き寄せた。

「今日も会えて嬉しい。朝まで一緒にいたのに、離れている時間は友里のことが恋しかった」

 直樹の大きな体に包まれて、そんな甘い言葉を耳元で囁かれたら、腰が砕けてしまいそうだよ。

 いつも凛々しい大人の男性っていう雰囲気なのに、私の前になると柔らかな雰囲気に変わる。お風呂上がりで髪をセットしていないから幼く見えるのかもしれないけど、そのプライベートな素顔にギャップを感じて胸を高鳴らせてしまう。

「私も……直樹のことばかり考えてたよ」
「ほんと?」
「うん」

 ずっと俺のことを考えていて――

 先日彼に言われた言葉。

いろいろなことを思い出したり考えたりして、直樹に会いたくてたまらなかった。

「明日も明後日もずっと一緒にいたい。友里に傍にいてほしい」

 彼の体の重みが増して、ソファに押し倒される。色気を放って迫ってくる直樹にクラクラしながら見つめ返す。
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