秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
19.小さな不安

私たちが一緒に住むことが決まった数日後、すぐにアパートから直樹のマンションへ荷物を運ぶことになった。

といっても、全て引っ越し業者さんがやってくれて、荷造りから荷ほどきまで全てお任せしたのだけど。

「本当にいいの?」
「いいんだよ、早くうちに住んでほしいから」

 自分たちで引っ越しをするとなると、荷物を詰め込むだけで時間がかかる。
それでなくてもシングルマザーとして、育児と仕事をしているので、そんな時間を作ろうと思うと大変だ。

 それと考慮した上で、彼は引っ越し業者を手配して、簡単に引っ越しを完了させてくれた。

 あれよあれよと言う間に荷物は運びこまれ、直樹の家の中に私たちの荷物が入っていく。とはいえ、今まで使っていた家電製品などは処分したので、持ってきたのは樹里のおもちゃや私たちの服だけ。

「友里ってあんまり服持ってないんだな」
「そうだね……。着られれば何でもいいかなって感じだし」
「友里らしいといえば、友里らしいな」
「そうでしょ?」
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