秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
「……はい」

 そう言われればそうかもしれない。冠婚葬祭用の服や、親として出席しなければならないようなときに着るようなセレモニースーツ。
上品なワンピースから、普段に切れるようなアイテムをいくつか。

 ボトムスだって、デニムしか持っていなかったけれど、きれい目なパンツから、新しいデニム、カラーパンツや、スカートも。

 スニーカーオンリーだった私の足元は、新しいスニーカーと、ヒールのパンプスや可愛らしいサンダル、ショートブーツやロングブーツなどいろいろと買い足された。

「これだけあれば、ある程度いけるだろうな」
「ママ、すてき! お姫様みたい~」

 こんなの映画の世界みたいで、戸惑ってしまう。「ここから、ここまで」と言うセレブがこんなに近くにいたなんて。

「あとは、樹里な。樹里の服が売っているフロアに移動しよう」

 持ちきれないような荷物は全て配送してもらうみたいで、そのままショップスタッフにお願いし、私たちは子ども服のフロアに到着した。
 樹里が嬉しそうに服を見ている間に、直樹の服をくいくいと引っ張る。
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