秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
「おはよう、友里」

 語尾にハートマークが飛んでいるような甘い声で名前を呼ばれて、思わず赤面してしまった。

 もう、直樹ってば、どんだけ私をドキドキさせるのよ。

「おはよう」
「樹里もおはよう!」

 まだ眠っている樹里の頬にキスをして、直樹は起こしにかかる。もっと寝ていたいのに、と逃げようとする樹里を掴まえて、目が覚めるまで頬にキスをし続けた。

「なおくん、やだ~。じゅり、まだねてるのにぃ」
「もう起きよう? ママが朝ご飯作ってくれてるよ」

 ふたりでじゃれ合っている間に、私はキッチンに向かって朝ご飯の支度を進める。

今日はフレンチトーストとサラダ、頂き物のちょっといいソーセージに目玉焼きを作ってみた。

 お皿に盛り付けをして、テーブルに並べていく。全てのものが並び終わったくらいの時間に、ふたりは歯磨きを終えてダイニングルームへやってくる。
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