秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています

「トップ5なんて、そんな。今回たまたまだし、私よりもっとできる人がいます。その子から教えてもらったほうがいいんじゃないですか?」

 この前の中間テストで学年順位の5位だった。それは間違いではないけれど、それは本当にたまたまだ。
 いつも5位圏内に入っている子が不調たようで、私がランクインしただけのこと。だからそんなに褒めてもらえるようなことじゃない。

 私に教わるくらいなら、1位の男子に教えてもらったほうがいいと思う。

「椎名さんがいいんだ。俺の友達が、椎名さんに教えてもらったらすごく分かりやすかったって。その子、今回成績アップしたんだぜ。椎名さん凄いよ」

 う……。

 確かに、他のクラスの女子に頼まれてテスト前に一緒に勉強したことがあった。その子とは部活が一緒で顔見知りだったから、一緒に勉強しただけで……。

 こんな何も接点のない男子を教えるのとは訳が違う。

 それに女子から人気の小野寺くんと一緒にいるところを見られたら、変なやっかみに巻き込まれそうで怖い。
 平穏な学校生活を送っていきたいのに、ここに来て大変なことになってしまうのはごめんだ。
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