秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
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本社勤務になってからすでに一週間が経過した。最初は挨拶回りが主な仕事だったが、それも落ち着いてこれから取り組んでいく予定の新しい都市開発プロジェクトの資料に目を通す。
数年後に行われる予定の世界的有名なスポーツの祭典が日本で行われる。それに関わる周辺地域の活性化に関する内容だ。
大がかりなプロジェクトなので、これから忙しくなりそうだと思いながら、誰かに任せるのではなく、積極的に取り組んでいこうと気合を入れる。
そんなとき、内ポケットの携帯電話が震え出した。
仕事の電話だろうと、ディスプレイを見てみると、そこには樹里の通う保育園の名前が出ていた。
一緒に住むようになったときに、友里が保育園に籍はまだ入っていないけれど、俺が樹里の父親だと園に知らせてくれたようで、何かあったときに友里の次に連絡がいくようにしてくれた。
彼女の祖父母たちも日中は仕事をしているので、急な連絡が入っても動けないときが多いらしい。
とにかく友里ではなく、俺に連絡が来ていることに不思議に思いながら受話ボタンを押す。