秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
「残念だが、犯罪者はお前だ。こんな監禁するような真似をして、タダで済むと思うなよ」
「うるさい。お前なんか、友里の不倫相手止まりのくせに」
「不倫相手……?」
何の話だ?と言う直樹に向かって、天野さんは吐き捨てるように話す。
「だってそうだろう? 友里には旦那がいるんだ。お前たちは旦那に隠れてコソコソ不倫しているだけの関係だろう」
そう言い放つ天野さんに呆れながら、直樹は腕の力を強めた。
「残念だけど、俺は友里の旦那だよ。友里の子どもの父親だ」
「え……っ」
「何を勘違いしていたのか知らないが、金輪際俺たちの前に顔を出すな」
私たちが夫婦であると聞かされて落胆した天野さんは、へなへなっと脱力して床に座り込む。それと同時にコンシェルジュが警察を中へ案内してくれた。
「小野寺さん、警察の方が到着いたしました」
「ありがとうございます」
天野さんは警察に連行されることになった。そして私は拘束されていたものを取ってもらい無事救助された。
「大丈夫か?」
「うん、ありがとう」