秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています

「過去に俺の母親に反対されたかもしれないけど、もうそんな心配しなくていい。全部俺が解決してみせるし、周りに文句言わせないくらいの力はあるつもりだ。信じてついてきてほしいんだ」

　目の前の愛しい人は、大人の男性としての魅力を増して素敵な男性となって私を迎えにきてくれた。

この人となら、どんな困難でも乗り越えていける。どんなときでも私や樹里を守ってくれる。その信頼に満ちている。

　だからもう逃げない。この愛を受け止めて、自信を持って生きていきたい。

「だから、俺と結婚してくれる？」
「……はい」
「いいの？」
「うん、直樹のお嫁さんにしてください」

　私がそう答えると、直樹は今までに見たことないくらいの喜びに溢れた表情を浮かべて涙を零した。

「ごめん……。男が泣くなって感じだよな」
「ううん、喜んでくれて嬉しいよ」

　ひとしきり喜んだあと、直樹は私の体を再び抱き締めた。気が済むまで抱き合ったあとそっと解放される。