秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
朝目覚めると見慣れない光景に、一瞬戸惑った。
どこだっけ?と慌てたけれど、隣ですやすやと眠る直樹を見て昨夜のことを思い出した。
「昨日、ホテルに泊まったんだ……」
何もしないと言っていたのに、お互い何も着ていないことに、ふっと笑ってしまう。
もう一度シャワーを浴びてから支度し始めようとバスルームへ向かう。水回りも完璧なほどに清潔で気持ちいい。
突然の宿泊だったにもかかわらず、アメニティ類も充実している。
コンシェルジュカウンターでもこういうものを用意していると、より入居者さまに喜んでもらえるかもしれないなと考えて、あれこれ仕事に結び付けている自分に驚く。
あんなことがあったけれど、仕事を辞めたいとは思っていなくて、むしろああいうことがあったからこそ、これからどうしていくべきか率先して考えていきたいと思う。