秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
「俺たち、すぐにでも籍を入れようと思う」
「そうだな、そうしなさい。樹里ちゃんの父親として、ちゃんとしないとな」
「ああ」

 男同士で話すふたりを見て、また一段と男らしくなった直樹に胸をときめかせる。
 直樹と結婚。

 こんなこと、絶対に起こらないと思っていた。樹里とふたりだけの人生を送るつもりだったのに……。

 嬉しさで胸がいっぱいになって涙が溢れてくる。

「今まで苦労をかけたね。これからは直樹とふたりで幸せになるんだよ。僕たちも力になれることがあれば、何でもするから。いくらでも頼ってほしい」
「ええ、そうよ。樹里ちゃんの面倒をたくさん見たいわ。会えなかったぶんの時間をこれから埋めないとね」

 こんなに温かく私たちを包んでくれて、家族として迎えてくれようとする両親の優しさに感激して涙が止まらなくなる。

「ありがとうございます」

 涙を零しながら微笑む私を見つめて、直樹はとろけそうな甘い顔をしてくれる。そして零れる涙を拭い、肩を抱き寄せた。

「今度こそ幸せになろう」
「うん」


 今度こそ、三人で――
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