秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
24.離さない

それから半年後。

 私と樹里、それから直樹の三人は、あのマンションを引っ越し、彼の両親とうちの両親の住む家の中間くらいの距離のところに一軒家を建てることになった。

 現在建設中なので、かれこれ三ヵ月ほど彼の実家にお世話になっている。

 もともと人見知りしない樹里は、優しくしてくれるおばあさまと、更に甘々なおじいさまに可愛がられている。

あの広い家だから一緒に住んでいても、プライベートは守られている感じだし、家事はお手伝いさんがやってくれるので、とても楽をさせてもらっているから感謝の気持ちでいっぱいだ。

 さて、今日は六月の大安吉日の日曜日。
 待ちに待った、私と直樹の結婚式だ。

「ん~、完璧! 我ながら自分のセンスのよさに感激して震えちゃうわ」

 私の目の前にいるのは、オートクチュールドレスを専門に扱うValerieというブランドのデザイナーの男性。
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