秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
ふたりで見つめ合っていると、ドレスの裾を引っ張られた。

足元を見てみると、そこにはドレスを着た樹里が上目遣いでこちらを見ていた。

「ママ」
「樹里!」

 樹里のぶんのドレスも製作してもらい、小さなプリンセスになっていて可愛い。
 うちの両親に連れられて控室にやってきたようだ。

「ママ、おひめさまみたい。かわいい」
「ありがとう。樹里もお姫様みたいよ。とっても似合ってる」

 お互いに褒めあっていると、直樹は樹里のことを抱き上げて、私たちの視線を同じくらいの高さにしてくれた。

「こんなに綺麗な奥さんと、可愛い娘に恵まれて、俺は幸せ者だな」

 とろけるような幸せな表情を浮かべて、私たちを見つめる直樹に、また胸をときめかす。

 私の方こそ。

 直樹と出会えて、恋をして、可愛い樹里を産めたことを感謝している。

そしてまた、新しい命に出会えて幸せなんだよ。

「パパ」
「……えっ?」
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