秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています

 名前を呼ばれて振り向くと、高校三年生のときに同じクラスだった女子に声をかけられた。

「あ、やっぱり椎名さんだ。よかった、同じクラスの子がいて」
「声をかけてくれてありがとう。一人で心細かったんだ」
「私も。あまり特進クラスの子は参加していないみたいだね。でも向こうにうちのクラスの担任がいるみたいだから、会いに行こうか」
「うん! 久しぶりに先生に会いたい」

 その子と共に、担任がいる方に歩いていく。友達に会えたから、少し気持ちが浮上する。一人だったら壁際に立ったままになっていたことだろうから、この子に会えて本当によかった。

担任の近くに行くと、同じクラスだった男子や女子たちが数人集まっていて、懐かしい面々にホッとした。

 担任に挨拶をして、大学生活を順調に送っていることを報告する。先生のお陰で進学することができたと感謝の言葉を告げてしばらく歓談した。

それから友達と共にビュッフェを食べに行き、お酒も飲んでみることに。

 初めてのお酒。二十歳になってから、一度もお酒を口にしていなかったから、初めてビールを飲んで「こんなに苦いのか」と驚いた。

 
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