秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています

私が綺麗な女性であろうがなかろうが、そんなこと全然気にしていないみたい。
ずっと自然体で、飾らなくて、一緒にいる時間が長くなればなるほど、彼はとても魅力に溢れた人だと伝わってくる。

夕刻になり、私たちは帰路につく。

 最寄りの駅に下りたところで、急に小野寺くんが足を止めた。

「椎名さん」
「……はい」

 さっきまであんなに楽しそうだったのに、今は口をきゅっと締めて固い表情に変わっている。
何かあったのだろうかと彼の顔をじっと見つめる。

「話があるんだけど……」
「話?」

 思い詰めた表情で話すものだから、大事な話なのだろう。
私たちはベンチに座ることにして、駅のロータリーの近くにあるベンチに少し離れて座った。

「どうしたの?」
「……あの、あのさ」

とても言いづらそうな雰囲気が漂ってきて、心配になってくる。
思いつめたような表情をしているので、深刻な話なのだろうと身構えた。


「俺……椎名さんが好きだ」
「え!?」

 反射的に声を出してしまったけれど、今、好きって言った?
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