秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています

「俺と付き合ってほしい」

 私の手をぎゅっと握って、真剣な眼差しで見つめてくる。小野寺くんはいつになく真面目。

嘘偽りないことが伝わってきて、本気なのだとひしひしと伝わってくる。

――だけど。

「い、いや……でも。私は小野寺くんに相応しくないよ。住む世界が違うっていうか、何ていうか……。私と付き合っても楽しくないよ」
「そんなことない。俺はずっと前から椎名さんが好きだった。高校のとき勉強を教えてほしいって言ったのも、椎名さんと仲良くなりたかったからなんだ」

 クラスが違うにもかかわらず、小野寺くんは私のことを前から好きだったらしい。
 しかしなかなか告白できず、少しずつ仲良くなろうと試みた。

だから私に勉強を教えてほしいとお願いする。一緒に過ごしているうちに、少しずつ仲良くなった。
高校を卒業したあとに告白しようと思ったのに、誘っても来ない私に好きだと伝えられず……今に至ったらしい。
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