秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
それからキスも。
ふたりで夜景を見に行ったときに、抱き寄せられて……初めてのキスをされた。
緊張のせいで、どんなものだったか分からなくて、顔を見合わせてからもう一度キスをした。柔らかな彼のくちびる。
直樹になら、何をされてもいい。
求められたら、全部捧げたい。
一緒にいる時間が増えていくたびに、私たちはお互いを強く求めるようになり――
彼に初めてを捧げた。
お互いに初めてだったから、すごく下手だったかもしれない。
だけど、ふたりが一つになれる幸せを感じて、涙を零すくらい嬉しかった。
そしてこれで私たちは強く結ばれた恋人同士になれたのだと感じたのだった。
付き合い始めて三ヵ月が経ったころ、私は彼の家に招かれた。
彼が大企業の御曹司だということは、前々から知っていたけど、まさかここまでとは思わなかった。
門から家の玄関までの道のりが長く、庭も驚くほどに広い。そして玄関の前には立派な車寄せがあって、その奥には車庫があり、たくさんの車が並べられている。
玄関だけでうちの家くらいの広さで、豪華な生け花が飾ってあった。