秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
母の優しさに涙が溢れる。こんな娘でごめんなさい、心の中で何回も謝る。
絶対に叱られると思っていたし、最悪の場合縁を切られてしまうのではないかと思っていた。
「友里が決めたことなら、反対しない。だけど一人で育てるのは並大抵のことじゃない。想像以上に大変だよ」
「わかってる」
じっと見つめられて、目を逸らさず見つめ返す。この決意が本気であることを伝えるために、逸らしてはいけないと思った。
母が女手一つで育ててくれていたので、その苦労は分かっているつもりだ。その苦労を背負ってでも、この子を育てていきたい。
「私も友里に大切な報告がある」
「え?」
「ずっと友達として付き合ってきた松岡くんとね、再婚したいと思っているの」
松岡さんとは、お母さんの友達だ。年に何度か一緒に食事をする仲だし、成人式のときに会ったことを思い出す。
「友里が成人したのを区切りに、私も自分の気持ちに素直になろうと思ってね。それを言おうと思っていたら、友里が未婚の母になるなんて言うから驚いたわ」
「お母さん……」