秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
翌日、休みだった俺は、友里がいる時間を見計らってコンシェルジュカウンターを越えて奥にあるカフェで仕事をしていた。
ここからだと友里の姿が見える。
コンシェルジュなんて受付に立っているだけの仕事だと思っていたが、何全戸とある住居者の対応をしながら、外部からの連絡を受けたり、新規入居者への案内、他のフロアにある住居者だけが使えるフリーホールの予約を取ったりと忙しそうだ。
中には外国人の対応もあって、流暢に英語を話していた。
――へぇ、英語も話せるのか。
もともと頭のいいのは知っていたけれど、ここまで堪能だとは思わなかったな。なかなかいい仕事ぶりをしていて、見ていて気持ちいい。
って、何をしているんだ、俺は。
友里のいいところを見つけて喜んでいる場合ではない。
目の前のノートパソコンに目を向けて仕事をするけれど、ふとした瞬間にまた友里を見ている。彼女の姿が見当たらなくなると、どこに行ったのだろうと探してしまう。
参ったな……。
気持ちが再燃してしまうのではないかという恐れから、部屋に戻ろうと考える。部屋にいても友里の存在が気になるからここに来たのに、傍にいたらいたで集中できない。