秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
もともとオシャレに興味のない人ではあったし、シンプルかつカジュアルな格好が似合う人だったけど、今は着られるものなら何でもいいぐらいのレベルに見えた。
「子ども……います」
そうなんだ……。ってことは、今の旦那とうまくいってるってことだよな。
質問しておいて、ダメージを受けてるって何だよ。はぁ……。
「そうなんだ。いくつ?」
そこで友里の表情が硬くなった。目を見開いて、何かを考えているようだ。いきなり態度が急変したので不思議に思う。
「何?」
「い、いえ……。えっと……もうすぐ、二歳……ですかね」
「ふーん」
二歳か。身近に子どもがいないから、二歳がどのくらいの大きさなのか具体的にわからないけれど、二年前に友里はママになったのかと漠然と思う。
ますます友里と旦那の間に入る隙間がないことを思い知って、胸がチクリと痛む。
おいおい、何だよ、入る隙って。
別に俺は友里と旦那の間に割って入るつもりなんてない。何を考えているんだ。
自分の思考に戸惑いながら、友里への質問を続ける。
「子どもは、男の子? それとも、女の子?」