秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
傷つくのが分かっているのに、友里と離れていた時間のことを聞きたくて、懲りもせず顔を合わせるたびに色々なことを問いかけた。
いつ結婚したのか?挙式はしたのか?
新居はどこだ?一軒家か、マンションか?
友里も働いているようだけど、旦那の職業は何か?友里が働かなければ成り立たないような収入なのか?
そんな質問を投げかけるたび、友里は歯切れの悪い返事をする。俺が納得するような答えはもらえない。
隠されるか、誤魔化される。
本当に旦那とうまくいっているのか?それすら怪しい気がしてきた。
その辺りも俺に話す気などないだろう。分かっているのに、根掘り葉掘り質問してしまう。
今までの俺は、早朝に家を出て、夜遅くに帰ってくる生活スタイルだった。しかし最近では九時ごろに家を出るようにして、必ず友里の顔を見てから仕事に行くようになった。
うちの会社はフレックスタイム制なので問題ないが、毎日顔を合わせるようになって、友里はどう思っているのだろう……。
スーツに身を包んだ俺は、ビジネスバッグを持って玄関を出る。そしてエレベーターを待ち、到着するなりすぐに乗り込んだ。
そして一階に到着して下りると、コンシェルジュカウンターが玄関の近くにあるのだが――