マリッジリング〜絶対に、渡さない〜
正直言うと、望んでいた展開ではなかった。
嘘をついていたことに対しては反省の色をもっと見せてほしかったし、今後については大袈裟でもいいから「一生嘘はつきません』くらいの宣言はしてほしかった。
信じたいからこそ…誠実な姿勢を感じたかった。
だけど結果的に私の心に残ったのは物足りなさだけで。
話を終えしばらく普通に過ごしてはみたものの、不安も不満も消えてくれることはなかった。
考えないようにしていても、どうしても脳裏にちらつくのだ。
彼女が後ろから、大地に抱きつく姿が…何故か何度も何度も、頭の中によぎってしまって。
普段通り食事している大地を見ていても。
普段通りに、子供達と遊んでる大地を見ていても。
眠りについた、大地の寝顔を見ていても…その後ろには、どうしても彼女のことを感じてしまっていた。