隣人はクールな同期でした。

無事に彼女を家まで送り届けられたんだろうけど
それからどうなったのかは
アタシもよくわかんないんだよね。

LINEしても既読にすらならないし。


煌月から返事が来たのは
それから翌日後だった―――


“ヒナコの様子も気になるし
しばらく実家に帰る。“


よっぽど早乙女さんのメンタルがやられていたのか
煌月は心配で彼女から離れられないらしい。

そりゃそうだよ。
アタシが逆の立場なら同じだろうし。
だけど早乙女さんに関しては関与出来ないから
煌月に任せるしかない。



―――数日後。


アパートのチャイムが鳴って出てみると
そこに立っていたのは…


「早乙女さん?」


あんな事があってから初めて顔を見たけれど
数日前に比べて
だいぶ吹っ切れたのか元気になったのか
明るい表情を取り戻していた。


「この前はイロイロとご迷惑をお掛けしてしてしまい
 すみませんでした…。
 それとコレ
 お借りしていたモノをお返しします」


謝罪と謝礼とともに手渡された紙袋には
雨でずぶ濡れになったときに貸したアタシの洋服が
綺麗に畳んで入っていた。
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