隣人はクールな同期でした。

「え…わざわざ届けに来てくれたの?」

「お礼も言いたかったので…」


なんと…
早乙女さんにしては珍しい…。←かなり失礼。


「顔色も良さそうだし
 もう大丈夫かな?」

「はい…」


そう答えるものの
なぜか浮かない表情の早乙女さん。

まだ完全復活ではないんだろう。


「あの…七星さん」

「ん?」

「ジンくんに、聞いたんですよね?
 私の両親の事…」

「え…」


え゛・・・!?
もしや思いっきりバレてた!?


「な、なんの事…?」


我ながら苦し紛れの誤魔化し方。


「誤魔化さなくても大丈夫ですよ」


それすらバレてたー…


「…煌月がそう言ってたの?」

「いえ…彼は何も言わなかったです。
 だけどジンくん、昔から嘘が下手だから…
 隠してるつもりでもすぐわかっちゃうんです」


あー…なるほど。
あの野郎、嘘が付けない馬鹿真面目かよッ


「私とジンくんだけの秘密だったんですけどね…」

「早乙女さん…」


そうだよね…
アイツを信じて
アイツだけに話したツライ過去の出来事を
よく知らない女に知られるなんて
裏切りみたいな事か…。
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