隣人はクールな同期でした。
「だけど知られたからこそ
私にとってジンくんが
大切な存在だって事がわかってもらえたと思います」
「は、はい…」
うわーぉ、そう来たか。
前向きと言うか…
弱味を逆手に取った荒業だな。
そこまでしても
煌月を誰にも捕られたくないワケか。
「あ!そうだッ」
ハッと何かを思い出したのか
パッと明るい表情に変わった早乙女さん。
今度は…何?
「来週から私
七星さんと一緒に仕事をするんですよッ」
「…へ?」
…なんだ?
どういう事だ…?
「じゃぁまたお仕事でお願いしますねッ」
語尾に“ハート”が付いた言い方で
嬉しそうにニコニコと満面の笑みを浮かべ
手を振りながら去っていく早乙女さん…
「え、待って?
何この胸騒ぎ…
イヤな予感しかしないのはアタシだけ…?」
いや、“予感”じゃない。
コレは各自にアレだ。
関わっちゃいけないのが確定してるヤツだ。
そしてまぁ
そんな予感こそピッタリ当たるモノで―――
「七星
そういう事だから早乙女を頼むな」
広報課長(♂)から言い渡された悪魔の囁きにより
アタシは彼女と仕事をする羽目になってしまった―――