隣人はクールな同期でした。
「でも雑誌モデルなんて
そう簡単になれないんだからスゴイっしょ。
才能なんだから名誉な事だと思う、うん」
と、上手く誤魔化しつつまとめてみたけれど。
「バカにしてんのか?
ってかモデルの才能ってなんだよ。
だいたいなぁ俺は編集部の仕事に興味があるだけで
モデルになりたいワケじゃねぇよ。
そもそも出版社がモデルになるって
どういう話だよッ」
文句がよく出るなぁ。
そしてよく喋ったなぁ。
口数が少ないコイツがコレほど言うだから
よっぽどイヤだったんだろうね。
雑誌編集部の期待と上からの圧力に
ぐうの音も出なかったってワケか。
「まぁでも
早乙女さんもいるみたいだし良かったじゃない?」
「お前、それも聞いたのかよ」
「それはウチの広報課長から聞いたんだよ。
アタシがその雑誌の広告を担当する事になったんだから」
「は?どういう事だ!?
お前、ファッション雑誌もすんのか!?」
いつになく興奮してるなぁ。
さっきからテンション高い。
「アタシだって今日聞いてビックリしてます」
おまけに気持ちも
どんよりです。