隣人はクールな同期でした。

「昨日はいきなりミンナで部屋に押し掛けて
騒ぎまで起こしてごめんな?
ビックリしたよな」

「…もう平気です」


押し掛け騒ぎもビックリですが
アナタの行動の方が
よっぽど驚きましたけどね。


「アイツ、正体隠したまま
 セツナに近付くとは考えてもなかった。
 悪いヤツじゃないんだけど
 そういうところはダメなヤツなんだよなぁ」


ダメなヤツなんかい。
フォローしてるつもりなんだろうか。
そうだとしたらたぶん違います。


「アイツの事…
 今話そうか?」


って、サラっと暴露しようとする陽向さん。


「いえ、やめておきます。
 本人が言おうとしない事を
 まわりから聞くのは良くないと思いますし。
 なのでお気になさらず」

「そ、そっか…。
 アイツに代わって俺が謝る。
 黙っていて怖い思いもさせてごめんな」


なぜアナタが謝る?
そんな代役しなくてもいいのでは?


「吹雪さんの正体も昨日のアナタの行動も
 全部忘れるつもりなので
 もうこの話題は終わってください。
 じゃぁアタシは先に失礼します」


ちゃっちゃっと完食させて
足早に食堂を出てしまった―――

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