隣人はクールな同期でした。

その件に関しての話は
吹雪さんからも陽向さんからも聞かなくなって
カミングアウトのおかげで若干違和感を持ったものの
いつも通り吹雪さんとは仕事を続け…
って普通に接してるアタシもスゲェな。


そして気付けば土曜日。


膝丈の黒いフォーマルワンピースを身に纏い
髪はハーフアップに留め
メイクはいつも通りの
ピンクブラウンのアイシャドウで施し
普段まったくと言っていいほど塗らないグロスで
唇を潤わせ。

しっかりやりましたとも、ドレスコード。


「我ながら“サマ”になっているのではないか?」


出発5分前。
姿見に映る自分を褒めたりなんかしてたけど
そんな呑気な事してる場合じゃない。


「もう行かなきゃじゃん!」


腕時計を見た途端
思ったよりギリギリな時間に
いきなり慌てだす始末。


事前に課長から貰っていた招待状(仕事関係者用)に
書いてある場所に足早に向かうと
すでに入り口で課長がお待ちかね。
さすが偉い人は時間にもキッチリだな。


何はともあれ
課長と一緒に会場に足を踏み入れた。
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