隣人はクールな同期でした。

「うわ…広ッ
人も多ッ」


会場はホテルの大広間だけあって
広さも人の多さも莫大。
まわりを見渡せば全員しっかりフォーマル衣装。
いや、当たり前か。
私服で着たら逆に目立つわ。

しかもアタシの知る限りで
いろんな会社の社長もいる。


「新作発表パーティーなのに
 社長とかも呼ばれているんですね…」

「そりゃあな。
今日は雨夜先生の
バースデー記念も兼ねているから
 親交のある方々も呼ばれているんだろ」


なるほど…
バースデー記念でもあるのか。


「雨夜先生にご挨拶をしてくるから
 七星、あとは任せた」

「え、何を任されたんですか!?」

「…アレだ。
 ウチの会社とも親交のある会社の方々に
 挨拶まわりとかだ」


いやいやいや。
それ絶対アンタの仕事でしょうが。
なぜそんな重役を部下に任せるんだこの課長は。


「あんまり料理に飛びつくんじゃないぞ」


そう言ってス~っと去っていく課長。
こんなところで料理にがっつかないわ。
アタシをなんだと思ってんだよ、まったく。


「…とりあえずお酒飲もっと」


酒には飛びつきますが。

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