隣人はクールな同期でした。

「それと今日は
 もう1人、紹介しておきたい人物がいる」


話が切り出されたと同時に
ゲストの騒めきの中、舞台に上がってきたのは
銀髪に白のタキシード姿の若い青年。


「あれ…あの人どっかで…」


見た事があるような…
ないような…


「倅(せがれ)の“レオ”です。
 こうして公で紹介するのは初めてだと思うが
 今後ともお見知り置き願いたい」


れお…
アレ?
その名前って…


「もしかして!?」


あの人なんじゃないかと
隣にいる陽向さんに顔を向けると
彼はアタシが何を言いたいか一早く気付いたらしく
苦笑いを浮かべている。


「お初にお目に掛かります。
息子の雨夜レオと申します。
 父共々皆様には常日頃よりご愛顧いただき
誠にありがとうございます」


見た目も話し方もまるで違い
あの豊満な胸もなく
アタシの知る“彼”とは
面影がほとんどなかったが…

確かにそこに立つ彼は
“吹雪レナ”だった―――


「あの登場はビックリするよな…」


全部を知ってる陽向さんは
溜め息交じりに小さく呟いた。

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