隣人はクールな同期でした。
「雨夜先生も
 “息子にはやりたい事を自由にやってもらいたい”って
 仕事も女装に関しても何も言わず見守ってる。
 放任っぽく聞こえるけど
 “自分のせいで人生を縛り付ける事はしたくない”って親心は
 父親にしかわからない心境だろうな」


この話を聞くまでは
レオさんの事は不信感しかなかったけど
少し見方が変わった気がする。

みんな誰だってそうだけど
誰にも言わないだけであって
その中で人知れず苦労している。
それはきっと彼も同じなんだと感じたから。


「こんな形でレオは自分の正体を明かしたけど
 アイツなりに考えての答えだと思うから
 あまり悪く思わないでもらいたい」

「大丈夫ですよ。
 驚きはしましたが
 真実を知ってスッキリしましたし」


もちろん他言無用。
この秘密は守りますのでご安心を。


その後はというと…

吹雪さん…改め
雨夜レオさんが本当の事を話してくれた小説家
”雨夜先生”のパーティーが終わり
他の出席者と共にアタシ達も解散した。

なぜか煌月とは
あの後1度も姿は見なかったけれど―――



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