隣人はクールな同期でした。
「もちろんそれとコレとは別だよ。
 仕事は仕事。
 セツナさん自身を見込んでの依頼だからね」

「それを聞いて安心しました」


もう少しで疑心暗鬼になりそうでしたよ。


「最初はそこまで考えてなかった。
 セツナさんと仕事をする事になったから
 ついでに探りを入れよっかな。くらいだったし」


探るつもりはあったのかよ。


「思い付いたのは
 セツナさんにオレ達が付き合ってるって勘違いされた時ね」

「え。」

「『あ、その手があったか~』って閃いて
 そっから”彼女”って事に切り替えたんだよ~
 なんとも名案」

「は、はあ…」


呆れた…。
開いた口が塞がりません。


「もちろん余計な事だとはわかってるよ。
 オレがそこまで口を挟んじゃいけないのも理解してる。
 別れた理由だって当人にしかわからない事だし
 他人がどうこう言う権利はないよね。
 それでも…
 アルトは別れた事をずっと後悔してたんだよ。
 もう一度ちゃんと話したいって言ってたし
 何より、まだ好きなんだってさ」

「…はい」


アタシも聞いたよ。
本人から。
 
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