隣人はクールな同期でした。
「どこで何してんのさ…
 せめてLINEくらい見なよ…」


アイツの部屋で
どうにもならないもどかしさから
思わず扉越しに声に出してしまった。


「何しているんですか?」


廊下の少し離れた先から
明らかにこちらに向けて発せられた女性の声。


「早乙女さん…」


そう…彼女だった。


「またアナタですか。
 なんの用か知りませんが
 ジンくんならココにはいませんよ」


ご機嫌ナナメなのか
めんどくさそうに言いながら
アタシの顔なんて見ず無表情でこちらに…
と言うか、煌月の部屋へと近付いてくる。


そういえば…
以前にもこんな状況で同じような事があったな。
今回は煌月の部屋からじゃなくて
外からだけど。


「煌月がどこにいるか
 早乙女さんは知ってるの?」

「…さぁ?
 仮に知っていたとしても
 アナタに言う必要はないので。」


答えつつ鞄から合鍵を取り出すと
手慣れた様子でドアのカギを開錠し
『じゃぁ失礼します』と室内へと入っていってしまった。


やっぱりこのコは何か知っている。
でもどうして早乙女さんは
知っているんだ…?


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