隣人はクールな同期でした。
って…
聞いても教えるはずないか。
予想はしてたけど
やっぱり聞く相手をミスったな。


「それにしても煌月は
 仕事も来ないで何してんだか…」


LINEを開き
未だに既読にならないアタシが最後に送った文章を見つめ
不安が募るばかり。


アイツがどこで何しているのか
連絡が取れないまま
1週間が過ぎてしまった…ある日―――


「あれ…?
 今のって…」


職場の廊下を歩いていると
一瞬だったが
正面を編集長と並列して歩く煌月が
横切っていったように見えた。


もしかしてと思い足早に後を追い掛けると
その後ろ姿は
やっぱり煌月だった。


「なんだ…来てんじゃん、仕事」


どうして休んでいたのか
なぜ連絡がなかったのか
気になる事は多々あるけれど
見る限り怪我や病気ではなさそうだし
アイツの身に何かがあったワケじゃないなら
それが1番ホッとした…


「心配させないでよ…バカ」


アンタから音沙汰なくなると
こっちは調子狂うじゃん。


このときのアタシはまだ
煌月が苦しんでいた事には
気付いてあげられなかった―――


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