隣人はクールな同期でした。
その後、煌月とは口も利かず
どことなく疎外感を感じたまま
社員旅行の当日を迎えてしまった―――


「こんな大人数でキャンプって…
 おかしいでしょ」


部署ごと別れているバスに乗り込みながら
思わず本音。

“会社全体=全部署”
なのでバスが数台手配され
まるでツアーか林間学校かのように
ゾロゾロと連なって
数十人が同じ場所へと向かう。


コレだけの人数なんだから
よっぽど広いキャンプ場なんだろうな…。


そんな事をボーッと窓の外を眺めながら考えていると
バスは都会の市街地を抜け
徐々に広大な自然へと景色を変えていく。


心地のよい揺れに
うつらうつらしていると
バスは目的地へと到着した―――


「晴れて良かったぁ~」


大きく伸びをしながら
木々の間から差し込む太陽に目を細めた。

今日は暑くなりそうだ。


「じゃぁさっそく
 記事になる事を念頭に置いて
 昼食やテントの準備をするように!
 いいかー?
 しっかりネタに出来るように
 意識するんだぞー」


到着した途端
いきなり仕事スイッチが入る広報課長。
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