隣人はクールな同期でした。
向こうもアタシに気付いたらしく
目が合ってしまい
煌月がこちらへと向かってきた。

アレっきり連絡しなかったから
妙に気まずい…。


「七星…」

「煌月…来てたんだ…」

「…あぁ。
 ヒナコがどうしても来たいって言ったからな」

「…そっか」


彼女のためなら
意見が変わっても
付き合ってあげるんだね。
献身的な男だな。


「この前
 あんな事で怒ったのは良くなかったね。
 ごめん」


ギクシャクしたままだと
後味悪いから
こんな場所でこのタイミングだけど
謝ってみた。


「いや、俺こそ言い過ぎた。
 悪かったな」

「じゃぁこれで
 おあいこって事で。
 早乙女さん、大丈夫そ?」

「あぁ。逆に元気すぎだ。
 こっちが気を使って
 『社員旅行は欠席にした』って言ったら
 すげぇ怒られた。
 それとこれとは別なんだってよ」

「ふーん…
 まぁ、そうだろうね」


早乙女さんの事だから
煌月との社員旅行を欠席だなんて
イヤに決まってるか。


「お前にはアイツの気持ちがわかるのか!?」

「わかるっていうか…」


手に取るように
予想がつくだけ。
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