隣人はクールな同期でした。

「もちろん迷っていますよ。
 別れた元カレからの誘いですし。
 ですが…
 今の陽向さんの素直な気持ちを聞いたので
アタシもきちんと向き合いたいと思っています」


返事をするのには
まだもう少し時間は必要だけど
後悔しない答えを出そうと思う。


「そっか…
 それを聞けて少し嬉しいよ。
ちゃんと考えてくれてありがとうな。
けど本当、無理だけはするなよ?」

「はい、ありがとうございます。
 じゃぁアタシは戻りますね」


彼に一礼し
飲み終わったコップをゴミ箱に捨てると
アタシは休憩室をあとにした。

コレ以上は彼を心配させるだけだと思うからと
先に自分のデスクに戻ってきたはいいけれど…


「全然ダメだ…」


薬を飲んだはずなのに一向に症状は変わらないし
仕事しなきゃと思っていても
そっちに気が散っちゃう。


「5時か…」


このまま仕事をしても
終わるのはあと1時間ってところ。

それならちょっと早いけど
先にあがらせてもらお。


課長に事情を説明し
今日は早退する事に。

ついでに明日
病院に行く許可ももらった。
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