隣人はクールな同期でした。

どうしてこうも不整脈が続くかなぁ。
ココんとこ特に思い当たる事もないし
無理してる感じはなかったのに。


「何お前、仕事サボり?」


帰る身支度をし
鞄を持ってエレベーターを待っていると
偶然居合わせた煌月からの第一声。


「サボりって言うな。
 ちょっと用事があるから先に帰るんです」


まったく失礼な。
誰もサボりたくて帰るんじゃないっての。


「…ふーん」

「…なに」


眉間にシワを寄せながら
人の顔をじーっと見やがって。
絶対コイツ
本当にサボりだと思ってるな。


「…それがいい。
早く帰れ」

「え…、うん…」


『それがいい』って
え、なにがいいの?


尋ねる前にエレベーターが到着。
すでに数人が乗っているところに同乗したため
結局聞けずじまいに終わってしまった。

マンションに着いたのは18時頃。


「はあぁぁぁぁ…」


着替えもせずゴロンとベッドに横になり
目を閉じ静寂の中
聞こえてくる時計の針の音と
不規則な心臓の鼓動に耳を傾ける。


体はもう
ずっと調子が悪いまま。


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