隣人はクールな同期でした。
私の心臓は
さっきからもうずっと…
ずっとドキドキしている。

こんな気持ち
ジンくんにだけだと思っていた。

それなのに
また…


「陽向さん…
 いつまで日本にいますか…?」


何を私は聞いているんだろ…


「え…
 1か月くらいだけど…」


聞いたところで
別にだから何って事はないのに…


「また…会えますか?」


言ってしまったの。


こんなの
失恋を埋め合わせるための
一時的なモノかもしれないのに。

ただただ
人恋しいだけなのかもしれないのに…


「また…話がしたい」


もう手を離して
失ってしまうのは
とてもイヤ…


「早乙女さん…」


困った表情を浮かべる陽向さん。
あからさまな私の言葉はきっと
この人からしてみたら
『片思いは結局その程度か』くらいにしか
思ってないと思う。


言わなきゃ良かったかな…

だって私は
七星さんを陥れようとしてまで
ジンくんを手に入れたかった女。

そんな最低な人間だって事は
この人もよくわかっているんだもん。


『また話がしたい』なんて
図々しいワガママを
受け入れてくれるはずないよね。
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