時には優しく…微笑みを

二人で、ショッピングをして、ご飯を食べて七海の住むマンションに一緒に帰ってきた。

「あー楽しかった。映画よかったよね。あれ見たかったからよかったよ」

「私も、今日はありがとうね、七海」

「何言ってんのよ。私も楽しかったよ。いつでも言ってね」

うん、と頷き、カバンの奥底に入れてあった携帯を取り出した。

「あっ…」

「どうしたの…?」

私の携帯を覗き込んだ七海に、これ、と言って携帯を見せた。

「やだ、何それ。不在着信ばっかじゃない。10件?凄くない?それ全部…」

「う、うん。課長からの着信…」

バイブにしていたけど、映画見た時に、サイレントに切り替えたのを忘れていた。

課長…どうしたんだろう?
こんなに電話をかけてくるなんて…

「ふーん。で、どうするの?」

ニヤニヤしながら、私を見ながら七海は聞いてきた。

「…ど、どうするって…」

「だってさ、今日は私の所に来るって言ってきたんでしょ?だったら、そんなに必死に電話してくる事ってあるの?ないよねー?」

「いや、あの…それは」

「きっと、菅野課長心配なんだよ。昨日何があったかは、私は分からないけど、帰ってこないかも?って思ってんじゃない?じゃないと、こんなに着信残さないでしょ?愛されてる証拠ってやつ?やるじゃーん」

バシッ

「痛っ…七海」

背中を思いっきり叩かれてしまった。
七海に、早く課長に連絡しろと急かされて、私はドキドキしながら課長に電話した。
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