時には優しく…微笑みを
「おはよう。今日、櫻井から体調崩してると連絡があって休むそうだ。後のフォローを頼む。よくなるまで出なくていいと言っているから、数日休むと思ってくれ」

朝の朝礼で、営業部のスタッフに告げた。

「櫻井さん、大丈夫なんですか?」

「最近、仕事量増えてたから…」

皆が、朋香の心配をしていた。
この営業部の中で、大事な一員になっていたのかと思うと、胸が熱くなった。

「課長?どうされました?」

「っ、あ、いや…なんでもない。櫻井の仕事分担出来るか?」

「大丈夫ですや、任しておいて下さい」

「頼んだ」

スタッフの連携で、仕事は思いの外、順調に回って行った。


昼休み、総務部の齋藤が朋香を訪ねてきた。

「え?休みなんですか?菅野課長…何かありました?」

「え?」

何かありましたか?と周りに聞こえないように聞いてきた齋藤に俺は言葉を濁した。

「菅野課長…また発作出たんですか?」

発作…過呼吸の事を知ってるのか。
頭の中でいろんな事が、ぐるぐると回っていた。

「菅野課長、少しいいですか?」

俺は齋藤に言われるまま、会社の外に出た。

「すみません、社内で話せるような事ではないんで…」

「いや、齋藤は知ってるんだな?発作の事」

「…やっぱり、発作出たんですね…」

齋藤は頷きながら、朋香の話をしてくれた。
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