時には優しく…微笑みを
私と拓海さんが、営業部に行くまでの間に誰から聞いたのか、行く人達からおめでとうの声をもらった。

「さすがに…恥ずかしいですね」

「ん、まぁな…。広まるの早すぎだろ」

「いや、菅野課長が結婚する、からですよ。私じゃこんな事にならないですもん」

「そうか?違うだろ…」

やっぱりモテている事の自覚がないな、拓海さんは。
あれだけ、ファンがいるって事いつも話してたのに。

「朋香!」

「え?」

二人で並んで歩いていると、七海が走ってきた。

「おめでとー!聞いたよ。よかったね!」

抱きついてきた七海は、よかったよかったと、涙を流してくれた。
昨日、あんな事があったから心配してくれていた七海に私も涙が流れた。

「ありがと。まだいつとかの日は決まってないんだけどね」

「何言ってるの。これだけみんなに知られたら、後に引けないんだからね。早く日取り決めなさいよ!菅野課長!よろしくお願いしますね!」

「齋藤、ありがとう、これからもよろしく頼むよ」

「はい!」


始業時間前に、拓海さんとの事が広まってしまい、仕事が始まってもなかなか話は尽きなかった。

それから休憩時間前に、拓海さんと一緒に私は人事部に行った。

まだ日取りは決まっていないが、結婚が決まった事を報告した。

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