時には優しく…微笑みを
「ね、見て。これなんて可愛いでしょう?」

そう言ってお母様から、見せられたのは、弟さんと2人で写した写真。

「可愛い…」

「でしょう?分かる?この頃は、もう可愛くて可愛くて…まさかこんなむさ苦しくなるなんて思ってもなかったわ」

お母様はそう言うけれど、小さい頃からの面影はしっかり残っていた。
可愛すぎる、小学校、中学校…と、成長するにつれて、今の拓海さんに近づいてきていた。

この頃に会ってみたかった。
小さい頃からもモテてたんだろうな、きっと。

「あんまり見ないでくれるか、恥かしいよ」

拓海さんは、口に手を当て、それ以上は何も言わなかった。


「ただいま」

「あ、帰ってきたみたいね」

話し込んでいると、ただいまと誰かが帰ってきたようだった。

「ちょ、和己帰ってきたのか?」

それを聞いた、拓海さんが慌てていた。

「そうよ。拓海が彼女連れてくるから、って話したら仕事終わらせて帰ってくる、って言ってたのよ」

「な、なんでっ…」

ガチャ

「ただいま」

ドアを開けて入ってきた和己と呼ばれた男性を見て、息を飲んだ。


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