時には優しく…微笑みを

「それはそうと、母さんから聞いたけど、付き合ってる人がいてるって?東京のヤツか?」

「あ、うん。どこまで聞いたん?」

「会社の上司って聞いたで、オッさんか?」

近くのカフェでコーヒーを飲んでいた私は、飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになった。

「…っ、オッさんて。お兄ちゃんと同い年やないの。まだ若いやんか」

「なんやて、俺と同じか!手出されたんか?」

手出されたんか、って。
私は首を振った。

「違います。少しずつ好きになっていったん。これやからお兄ちゃんには言いたくなかってん」

「なんでやねん!大事な妹の事やろ!」

大事な妹と言うか、過保護なんだってば。これだから彼女が出来ないんだよ、っとに。
それから、兄に付き合う経緯を話した。すると、兄が怒り出した。
なんで、焼け出された時に俺のところにこんのだ!と。
横浜にいるくせに、無理やん!と言っても聞く耳持ってくれず。
最初からお前の身体が目当てだったとか、不適切だとか言って一人興奮していた。

「あのね、そんな事言ってもね…」

「そいつ、今日は何やってんねん。俺が今から言って話したる」

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