時には優しく…微笑みを
♪♪♪♪♪♪♪

会社に向かう途中、鞄の中で携帯が鳴った。

「はい、櫻井です」

「おっはよう。朋香ちゃん、仲川です」

朝からテンション高っ!
寝不足の頭には重い、重すぎる。

「おはようございます」

「テンション低いね〜。拓海とケンカした?」

「は?け、ケンカなんてしてませんけど。ね、寝不足で…」

「お?拓海が寝かせてくれない、とか?あいつもやる時はや…」

「ち、違いますっ!考え事してたら寝れなくなったんです。用事はなんですか?」

朝からついていけない、仲川さんのテンションの高さに少しムカっとしてしまった。

「…ごめん。悪ふざけが過ぎたね。朋香ちゃんが希望する物件見つけたよ。今晩空いてる?拓海の家でいいなら、行くけど?」

「え?もう見つけてくれたんですか?は、早っ…」

「仕事が早いのが、俺のモットーだからね。どうする?」

「…外でもいいですか?」

「ん?あ、いいよ。じゃ、仕事終わったら連絡くれる?それじゃ」

私が課長の家ではなく、外にしてほしいと言った事を仲川さんは不思議に思っただろうか。
私はどうして、外で話したいと言ったんだろう。
課長の家じゃダメな気がしていた。
ただそれだけ…

営業部に行くと、そこには先にでたはずの課長の姿はなかった。
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