時には優しく…微笑みを
「そう、朋香ちゃんの顔を見てたら、なんとなく想像はつくわ。やり直したいって、菅野君に迫ったんじゃないかしら、彩奈が」

うそ、どうして分かるの?
私、そんなに顔に出てるのかな…
顔を触っていると結子さんは

「クスッ。彩奈は大学の時の同級生なの。だいたいの性格は知ってるから、想像つくわ。今の菅野君、貫禄出てきたし、カッコいいからやり直したいって思いそうだもの。あ、今は私、彩奈とは友達付き合いしてないからね。菅野君と別れた時に、切ったから」

え?
結子さんが言ってる意味が分からなかった。
友達付き合いをやめた?

「菅野君と諒太が友達だったでしょ。私と彩奈も友達だったけど、あんな酷い事を平気で出来る人なんて友達出来るいたくないから、菅野君と別れた時に切ったの」

「朋香ちゃん、別れた理由なんて拓海からは聞いてないだろ?」

「…はい。私はただの部下なんで、そんなプライベートな事…」

「だけど、片岡が元カノだって聞いたんだよね?」

黙って頷いた。
私は聞かなかったけれど、課長が教えてくれた。
私には言いたいって…

「…その時点で、多分拓海は朋香ちゃんの事、ただの部下だとは思ってないと思うよ。あいつ、片岡と別れてから、恋愛からは遠ざかってたし、過去の事を自分から話す事なんてなかったからね、特に女性に対して」

「そ、そうなんですか…」
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